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芸術の秋に想い直す、自己が無意識に作る心の境界線 [世相雑感]

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岡山市中心部の散歩がてら、現代アート鑑賞のはしごに誘う展覧会「岡山芸術交流2016」の来場者がおととい10万人を数えた。
広島東洋カープの粘り腰に沸いたこちらとは違い、すっかり芸術の秋らしい。

会場の一つに、新聞記事を額に入れた作品が見える。
身の回りの「境界」を探してきて・・・。
岡山市出身の美術家、下道基行さんが母校での特別授業で出したお題に、中2の後輩たちのつづった答案が活字になっている。

音楽好きの一人は「テレビ」を挙げ、いつか海面の向こう側で喝采を浴びる己の姿を夢見ている。
「自分の部屋の扉」と答えた少女がいる。
泣くのは必ず扉のこっち。
涙を拭い、居間に向かうという。
泣き顔を家族に見せたくないとは、心配させない気遣いか、14歳のプライドか。

下道さんはあちこちで同じ試みをしている。
よその教室への出入りを禁じる校則を「境界」と見立てた14歳もいる。
目に見えぬ壁。
「私の中にもできていってしまう気がします」と鋭い。

お使いや学校の生き帰りに寄り道して、境界線の向こうを垣間見る。
思春期の「地図」は恐らく、そうやって広げていくのだろう。
横町の角を曲がれば、別世界にいざなう扉が開く。




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