SSブログ

地味だがスゴイ!日陰の文化遺産を日の当たる資産に、知恵を絞る [世相雑感]

堂々川6番砂留.jpg

「最も人気のない文化財。
地元からの自嘲めいた嘆きが、印象的だった。
先日、福山市神辺町であった「全国砂留(すなどめ)シンポジウム」のひとこまだ。
かつて各地の暴れ川に築かれた元祖、砂防ダムの保護や活用を論じ合った。

神辺の堂々川に残る16基の砂留は立派な文化遺産だろう。
現存する中では全国最古級。
最大の「6番」は堤の高さが13㍍、長さが56㍍と城の石垣をさらに巨大にしたような石積みだ。
そばに立つと、迫力に圧倒される。

流域の度重なる土石流に悩まされた福山藩が18世紀に造り始めた。
水害を乗り越えてきた先人の苦労と技術を伝えていよう。
この夏の豪雨でも水の流れを緩めた、という報告も聞いた。
今なお現役なのだから頼もしい。

市内には、ほかにも数十基が残るという。
なのに城や社寺などに比べ、何げない川の風景に埋もれて市民の知名度不足は否めない。
シンポに集まった長野や福井の人たちも同じ悩みらしい。

堂々川沿いには秋の里山を彩る彼岸花12万本が花を付けた。
春は桜やツツジ、夏は蛍・・・。
人を集め、少しでも砂留を知ってほしいと地域の人たちが手掛ける。
災害と向き合い続ける縁の下の力持ちの無言の声に、耳を傾けたい。




スポンサードリンク



nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。