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目力名優平幹二郎さん逝く、また一つの時代の終焉 [訃報]

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平幹二郎さんは俳優として目鼻もついていなかったころ、面接審査で主役を射止める。
「私をにらんで」「もっと」。
いきなりの求めに応じたところで「はい、合格」。
半端ではない目力だったのだろう。
思わぬ訃報に接した。

素顔は至って恥ずかしがり屋だったらしい。
広島市の小網町に生まれて、程なく父とは死別。
現在の府中市上下町にいた親類のもとに疎開し、被爆は免れたものの、孤独癖が習い性になったと、エッセイスト関容子さんのインタビューに答えている。

いきおい、一人で楽しめる映画を思春期に覚える。
お気に入りは、「悲恋」「オルフェ」など当時はやりのフランス映画や時代劇。
裏山の神社に行っては一人芝居でものまねをしていたという。

上京し、演技の土台を築いた劇団を離れ、劇団四季の舞台や映画、テレビ界へと活躍の場を広げる。
半世紀近く前の大河ドラマ「樅(もみ)の木は残った」の侍ぶりが忘れられない世代もいよう。

芸歴60年のことし5月、仲間で演出家の蜷川幸雄さんを見送っている。
落胆はさぞ深かったろう。
告別式で読んだ弔辞にはこんな一節が見える。
「ありがとう。さようならは言いません」。
私たちも、ほかに言葉が見つからない。




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