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消費税増税再延期の方針、前政権の「食言(しょくげん)失脚」を忘れたか [世相雑感]

消費税増税再延期.jpg

言葉を食べると太る。
前言を翻す「食言(しょくげん)」への戒めが、紀元前の中国・春秋時代の書物にある。
やり玉に挙がったのは魯の大臣だった孟武伯。
後に「論語で」親孝行ぶりを描かれた人物には貴族育ちの尊大な一面もあった。

身勝手な理由で約束を破り、うそをつくこと。
その食言は主君の耳にも届いていた。
ある宴席で、なぜそんなに太っているのかと同僚をあざ笑った時に主君がチクリ。
「自分の言ったことを、食べて太る者もいる」と。

安倍晋三首相は腹のうちに押し込めるつもりだろうか。
1年半前にはきっぱり否定していた消費増税の再延期である。
きのうは与党調整が大詰め。
近々、国民に正式に説明するというが、どこまで納得してもらえるか。

6年前の国会終盤を思い出した。
米軍普天間飛行場移設を巡り、「最低でも県外」と約束した鳩山由紀夫首相が交渉に行き詰まる。
「食言としか言いようがない」。
総辞職や解散を求めたのは野党時代の自民党だった。

孟武伯が慕った同郷の孔子は<巧言令色、鮮(すくな)し仁>という格言を論語に残す。
言葉巧みに愛想を振りまくものは大事な仁の心が欠けていると。
選挙を前に、政治家にとって命のはずの言葉の重さを思う。


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STAP細胞の論文不正問題、肝心の疑惑は晴れぬまま梅雨入りか [世相雑感]

小保方晴子.jpg

「そろそろ、梅雨どきなんかねえ」。
雨の日曜日となったきのう、傘が行き交う広島中心部でそんな会話が耳に入ってきた。
1週間もすれば、中国路も梅雨入りの見通しがつくだろう。

「涙雨」や「遣らずの雨」など、日本語には心模様と雨空を引き比べる表現が珍しくない。
<雨の巷に降る如く/我の心に涙ふる>。
フランスの詩人ベルレーヌの一節も、堀口大学の名訳で長らく愛され続けている。

雨あられの非難は、すでに一段落と踏んだのだろうか。
STAP細胞の論文不正問題で雲隠れも同然だった小保方晴子さんが、1年ぶりに姿を現した。
雑誌「婦人公論」の最新号に瀬戸内寂聴さんとの対談が載っている。

久々の外出となった対談日はあいにく悪天だったが、「私にとって恵みの雨」と気が楽になったらしい。
傘に隠れ、顔を気付かれずに歩けたという。
なるほど、カメラにどこか身構えてる様子が写真から見て取れる。

とはいえ記事は近況報告どまりで、肝心の不正疑惑はてんで晴れない。
出版した手記では触れられなかった点もあると、寂聴さんに明かしている。
ならば曇りなき説明を。
名前にある「晴」の一字にも、これでは申し訳が立つまい。


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オバマ米大統領平和公園演説とG7で安倍首相のリーマンショック前夜演説 [世相雑感]

リーマンショック前夜.jpg

耳をつんざくような、ごう音と強風。
おとといヘリコプターで降り立ったオバマ米大統領の話題で広島の街はまだ持ち切りである。
原爆慰霊碑の前はきのうも人、人、人・・・

訪問自体が歴史的という声もあれば、駆け足で何が分かる、という声もある。
評価は当分の間定まるまい。
それでも核兵器なき世界へ向け、国際世論に一陣の風を吹かせたことは確かだ。

政界に渦巻く話題は「ヘリコプターマネー」という。
定義はあいまいだが、空からお金をばらまくように景気を刺激する策らしい。
プレミアム商品券や子育てクーポン・・・。
消費税増税を延期した上で、5兆円を超すお金をちまたにあふれさせる案が浮かび上がった。

「リーマン・ショック前に似た危機だ」。
首相はそうあおるが、もし本当なら国民の財布のひもはどこまで緩むだろうか。
家電エコポイント制度など、長続きしなかった過去の政策への反省も見えない。
国民の不安を、またも置き去りにしたままで。

この国にのしかかる借金の額には、目を覆いたくなる。
子や孫に先送りしていいはずがない。
少々ふらつき始めたアベノミクスというヘリコプターを、安全な場所に早く着陸させてほしいのだが。


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オバマ大統領広島訪問、慰霊碑前で「核なき世界追及する勇気を」訴える [世相雑感]

オバマ大統領献花.jpg

いまか、いまかと待っていた。
平和記念公園近くの歩道の人だかり。
被爆地広島を初めて訪れる米国の現職大統領を、ひと目見たいと。
歴史的な瞬間に立ち会いたいと。

オバマ氏を乗せた車は歓声の中を走り抜けた。
待つ人々は公園内には入れない。
「本当は献花の場面を見たかったんじゃが」。
残念そうな声も聞かれた。
市民にはどこか遠い、実質1時間足らずの駆け足の滞在だった。

せめて肉声が聞こえていたら、どうだったろう。
「71年前、雲一つない明るい朝、空から死が落ちてきて、世界は変わった」。
確かに一発の原爆があの惨事を生んだ。
<パット剥ギトッテシマツタ アトノセカイ>。
原民喜の詩を思う。

大統領のまなざしに一筋の光明がありはしないか。
献花した後はじっと目を閉じていた。
被爆者の手を優しく握って、肩をそっと抱き寄せた。
見学した資料館で子供たちに手渡したのは、自ら折った鶴だったという。

きのうは慰霊碑の前で手を合わせた遺族も少なくなかった。
あの日の悲しみを、思わずにいられない日でもあったから。
原民喜が片仮名でしか言い表せなかったアトノセカイを再現させてはならない。
大統領もそう祈ったと信じたい。


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「戦争は人間のしわざです」35年前の小雪舞う2月、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の演説である [世相雑感]

ローマ法王.png

時ならぬ厳戒態勢に戸惑いながらも、被爆地は歴史的な一日を迎えた。
オバマ大統領が立つであろう原爆慰霊碑前で繰り広げられた、もう一つの歴史的場面を思い出す。
ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の演説である。

「戦争は人間のしわざです」。
原爆資料館にも碑がある不朽のメッセージは、35年前の小雪舞う2月に発せられた。
今なお胸を打つのはヒロシマを考える二つの意味を示したからだろう。

核戦争を拒否すること、平和に対する責任をとること・・・。
平和記念公園を埋め尽くした人から漏れたすすり泣きは忘れ難い。
数億人の信徒を束ねる指導者の訴えは瞬く間に地球上に伝わった。

心を揺さぶる光景が再び生まれるだろうか。
今度は原爆を投下した国の大統領から。
法王が警鐘を鳴らした冷戦時代の核危機は、とうに去った。
いま広島を考える意味は・・・。
その三つ目として核兵器をなくすことを世界中で誓い合う日となれば。

7年前のプラハ演説への拍手と喝采を、大統領は忘れたわけではあるまい。
あの日、心の底から喜び、核なき世界の到来を信じた被爆者たちが対面を待つ。
被爆71年、緑に包まれた被爆地で碑に残るような言の葉を聞きたい。


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本日伊勢志摩サミット開幕、混迷の中東問題に進展はあるか [世相雑感]

黄金のアフガニスタン.png

四千年前の金の杯、二千年前の宝石の襟飾り。
内戦による砲撃と略奪のさなかに職員が命がけで秘宝を運び出し、地下に隠した。
家族にも打ち明けないまま十数年・・・。
かくしてアフガニスタン国立博物館の文化財は生き延びる。

四半世紀前の逸話である。
金色の輝きに隠されたドラマを、東京国立博物館で開催中の特別展「黄金のアフガニスタン」で知った。
東西の十字路として栄えた地。
231点の収蔵品からは豪華絢爛な文化がうかがえる。

文化財の海外流出も続いたという。
再建された館が掲げたメッセージには、守り抜いたものえの誇りと未来への決意がにじむ。
自らの文化が生き続ける限り、その国は生き永らえる・・・と。

熱い志に応えたのが日本画家の故平山郁夫さんたちだ。
入手したアフガンの宝物を「文化財難民」として保護して修復に努めた15点も、会場に並ぶ。
母国に返されるというから喜ばしい。

内戦やテロが絶えない中東は文化財受難の時代が続く。
アフガン情勢も混迷を深めている。
きょう開幕の伊勢志摩サミットはテロや難民対策も重要なテーマだ。
未来の子供たちのために身を張ってきた人たちの思いが届くか。

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低調な終盤の国会運営、流れはサミットと衆参ダブル戦観測に [世相雑感]

伊勢志摩サミット.png

激突は回避できたが、もめ事は増えたようだ。
プロ野球で今季から導入された「コリジョン(衝突)ルール」。
本塁上のクロスプレーで捕手への体当たりと走者へのブロックが禁じられた。
だが適用の基準がわかりずらく講義も多い。

ビデオ判定への風当たりも強い。
カープの試合でも、九回の勝ち越し点が巻き戻されて、幻と消えた。
勝敗を分ける判定なのに審判の説明は「アウトとしてプレー再開」とだけ。
ファンは何が起きたのか分からない。
もっと丁寧な説明があっていい。

こちらも外野席の国民には分かり難いプレーが目立つ。
会期末まであと一週間となった通常国会である。
低調な論戦が続き、焦点の一つだったTPP承認案などの重要法案の多くが先送りされよう。

エース対決の党首討論も物足りなかった。
伊勢志摩サミットを前に消化試合の様相だったが、にわかにざわついてきた。
野党が練る内閣不信任決議案に、与党幹部は今のところ、解散の大義名分になる、、、とけん制する。

再び浮上する衆参ダブル選の観測に加え、消費増税問題も。
サミット後の国会最終盤は、選挙戦をにらんだ最後の見せ場か。
こちらは激突するのも民主主義のルールである。




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「笑点」の司会者若返り、人気番組後継者は春風亭昇太さんに [世相雑感]

笑点.png

「三大小道具」と呼ばれるものがテレビ界にあるらしい。
「水戸黄門」の印籠に「のど自慢」のかね、そして放送50周年を今月迎えた「笑点」の座布団。
国民的な長寿番組だからこその誉れであり、代名詞だといえよう。

あつらえの座布団は一枚3万5千円なり。
型崩れしないように綿を二重に詰め、3㌔余りと重い。
運び役の山田隆夫さんは、筋力の鍛錬と同時に日本舞踊の稽古で足運びに磨きをかける。
陰の努力が番組を支えている。

5代目の司会者を務めていた落語家の桂歌丸さんが、おとといの放送を限りに番組から身を引いた。
「おーい、山田君。座布団1枚」。
とぼけた、あの調子がもう聞こえなくなる。

実は司会者にとって、座布団は取り上げる時が見せ場である。
自分を皮肉る答えにほほ笑んでおいて「山田君、なにをボヤボヤしてる」。
10枚まであと少しにこぎ着けていた相手も板敷に戻す。
後継者の春風亭昇太さんは先輩だらけのレギュラー陣に、さて勇気を奮えるかどうか。

長屋のご隠居さんを思わせる歌丸さんだが、これで引退ではない。
80歳を前に「落語の勉強をしたい。まだ覚えたい噺(はなし)がある」。
原点を忘れぬ心に「座布団10枚」と言いたくなる。




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舛添東京都知事、ミットもない「首都の顔」を晒し続けないで [世相雑感]

舛添要一.jpg

「おまえのような男のことを草野球のキャッチャーというんじゃ」。
映画「幸福の黄色いハンカチ」で、今は亡き高倉健さんが武田鉄矢さん演じる若者を叱りつける。
「ミットもない」と。
座布団一枚と小膝を打ちたくなる。

そんな叱責が空の上から聞こえてきそうだ。
東京都の舛添要一知事のことである。
まず問題となったのは、ファーストクラスを使うなど高額すぎる海外出張費や公用車での別荘通いだ。
鳥取県知事からも「東京のような大企業は違う」と、皮肉られた。

正月休みに家族で泊まったホテル代や、インターネットオークションでの美術品の購入などに政治資金を使っていたことが明るみに出た。
「会議費」や「資料代」といった言い訳は聞き苦しい。

舛添知事は会見で「第三者の厳しい目で調査してもらう」と繰り返すばかりで、説明を拒んだ。
第三者に頼らずとも自らの言葉で説明できることは山ほどあろう。
「首都の顔」としての資質を問われても仕方あるまい。

「公私混同」との批判と追及が収まる気配はない。
厳しい声をしっかり受け止め、説明責任を果たす姿勢を示さなければ信頼回復はおぼつかないだろう。
みっともないでは済まされない。




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