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悲惨の極み、糸魚川大火災150戸以上を焼失 [台風・災害]

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糸魚川大火災.png

荒海や佐渡によこたふ天の河(芭蕉)。
漂泊の俳人が、越後(新潟県)出雲崎で詠んだ。
この地は東北日本と西南日本のつなぎ目。
地層が波打つように褶曲する。
地震学者の尾池和夫さんは著書で、芭蕉の旅を、わが列島の秘めた力をたどる旅に重ねる。

芭蕉はさらに西へ。
今の糸魚川市辺りはプレートと呼ばれる二つの岩盤の板が押し合う。
名産ヒスイは想像を絶する、大地の働きのたまものだ。
芭蕉の時代も、原石がごろごろしていただろうと、尾池さんは想像する。

近年ジオパークで知られる糸魚川である。
地震には備えがあったにせよ、強風による災いがこれほどとは想像もしなかっただろう。
大火は約150棟を延焼し、一夜明けてもくすぶった。

「あちこちから火の手が上がり空襲のようだった」という住民の証言がある。
北前船が寄港した歴史を持つ、古い街並みはどのくらい失われたのだろう。
木造家屋が密集している市街地なら、決して人ごとと思うまい。

芭蕉はその後、親不知など難所を越え、宿で一息つく。
旅立つ朝には客同士、神明の加護を祈ったようだ。
糸魚川で避難を余儀なくされている人たちも、ほっとできる屋根の下に早く戻れることを。


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