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熊本に129年ぶりの大地震、災害は忘れかけたころに [事件事故]

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「街道をゆく」を取材中の司馬遼太郎さんが熊本の旧城下で古い鍛冶屋さんを見かけた。
飛び込んだはいいが、用件を聞かれて困った。
そこで大男の拳ほどの頭が付いた石工の金づちを手にし、問えば700円という。
驚いた。
想像したよりも一桁安いから。

店は15代、400年続くと聞きまた驚く。
<十年の役(西南戦争)のときも逃げずにずっと打っていたそうで>。
わが事のようにそういって、主人は撃ち合いがあった表通りを指し<どんどん飛んで来よりましたが>

十年の役の十年とは、明治10年、西郷隆盛率いる不平士族が熊本城を落とせず新政府軍に敗れた。
М6.3の自信が起きたのは、その12年後である。

近年大きな揺れに遭遇しなかった熊本の人々は余震が続く中、不安な2夜を過ごしたことだろう。
心からお見舞い申し上げたい。
名所のお城も長塀や石垣が崩れたが、ここまで風雪に耐えてきた。
きっと復旧できよう。

日本が「尋常(ただ)ならぬ国」だとすれば、四間間口の鍛冶屋さんが毅然としてあるからだといえよう。
司馬さんはそう結んでいる。
あるいは熊本という大藩の奥行きの深さである、とも。
弱きを包み込む懐の深さが今もあると信じる。


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