あした国の形が変わる「安全保障関連法」の施行により [世相雑感]
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芥川賞作家の開高健は色紙を求められると好んでこう書いた。
<明日、世界が滅びるとしても今日、あなたはリンゴの木を植える>。
サントリーの宣伝部時代から、世相を切り取るキャッチコピーを数多く残した。
何が起ころうとも、未来の希望のためできることを粛々とやる。
そんな意味かもしれない。
泉下の彼なら響かせたい言葉だろう。
きょう時計が夜12時を指した瞬間、国のかたちが変わる。
安全保障関連法の施行である。
あるいは自衛隊の活動範囲が地球の裏側に広がりかねない。
むろん世が終わるわけでもないが、戦後の転換点となる。
土壇場まで国会周辺に集まり、異を唱える若者たちにとって、その行動はリンゴの木を植える営みなのだろう。
大上段には構えずとも仕事や家事の手を少しの間止めて、70年以上続く日本の平和の意味を振り返りたい。
この法律が「ベストなもの」と首相が言おうとも、思考の枝葉を広げ続けたい。
開高は60年安保の騒動を目の当たりにした。
民主主義が踏みにじられたと、怒りをコラム雑誌に寄せている。
「地方の皆さん、よく考えて立ち上がってください。お願いします」。
あなたにとってリンゴの木とは何だろう。
タグ:安全保障関連法施行