ことしは「ウルトラマン」放送開始50年、「ノンマルトの使者」を想い起す [世相雑感]
スポンサードリンク
ノン+マルスの造語だと後年知った。
昭和の特撮テレビドラマ「ウルトラセブン」の「ノンマルトの使者」という一話である。
ローマ神話の闘いの神、マルスにノンを冠した。
戦わぬ神、とでもいえばいいか。
この星には人類より先にノンマルトがいる、という設定だ。
彼らが築いた海底都市はセブンたちの攻撃で滅ぼされる。
だが英雄礼賛では終わらない。
ノンマルトが真の地球人なら私たちは侵略者ではないか・・・。
そんなやるせなさが残る結末だから。
沖縄の人、金城哲夫が脚本を書いた。
6歳のとき砲弾が飛び交う本島南部を祖父と逃げ惑う。
戦後上京して誘われた円谷プロでは特撮ものを数多く手掛けたが、帰郷して37歳で事故死する。
金城が志を抱く頃、沖縄はアジア一の核兵器庫になる。
嘉手納で水爆が米軍機に装着される写真がきのう、地方紙の一面に載った。
彼には沖縄の毒ガス貯蔵に題材を得た「帰って来たウルトラマン」の一話がある。
生きてこの写真を見れば何を書く・・・。
ことしは「ウルトラマン」放送開始50年。
金城の没後40年でもある。
敵の掃討うに夢中になる今どきのゲームソフトとは違う、作り手の「ノン」が伝わる映像の物語をもう一度見たい。