SSブログ

三方一両損から学ぶ印象操作のテクニック [世相雑感]

スポンサードリンク




感心するほどよくできた、それでいて意味深な創作話なんだろう。
古典落語でもおなじみ、名奉行で名高い大岡越前の名裁き「三方一両損」の話を思い起こす。
三両を拾い正直に届けた男。一度なくしたものはもう自分のものではない、くれてやると意地を張る落とし主。
お白州の行方は言わずと知れた人情大岡裁き、「三方一両損」である。
男の心意気と人情と。元禄江戸の風情が目に浮かぶようだ。

ただその話を始めてきたその昔、子供心にお奉行様は、なぜ自分の懐から一両を出したのか、正直分からなかった。
お奉行様って、よほどお金持ちでなくては務まらないものだと感じたものだ。

さては、この度の日本経済界を震撼させた鉄道受注合戦の結末、南の国の大岡裁きにはどんな意味があるのだろう。
インドネシアの高速鉄道の整備をめぐる受注合戦、日本と中国の意地と意地をかけた戦いは、あっけない結末で幕を引いた。

なんとなんと、計画自体をなかったことにするんだ、と。

これまでに費やした時間とお金、三者三様の損失やいかに。

受注に掛けた日中の痛手は計り知れなく、期待を匂わせて引っ張ったかの国は、双方に恥をかかせまいと江戸っ子ばりの気遣いは上出来として、国にお金がない台所事情があからさまに、直接自分の懐こそ痛まないが、対外的な信用を少々失ったのが一両損になるのか。
これにて一件落着となるかどうかも雲の中のようだ。

中国に端を成す減速気味のアジア経済、株価暴落や大事故ニュース、国内海外の景気の先行きから目が離せない。

実は、大岡越前はまれに見る経済通、江戸経済を地道な改革で立て直した、今でゆうところの実務官僚だったそうだ。
現代の混沌とした国際情勢を、人情と知恵でばっさばっさ痛快に裁く「名奉行」が、世界のあちこちにいてほしい。


nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。