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書き込みやメモが残る古書を「痕跡本」とよぶそうだ。 [世相雑感]

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書き込みやメモが残る古書を「痕跡本」とよぶそうだ。
全ページにシールを貼って手書きで模写した絵本あり。
あちこち墨塗りして添削した翻訳本あり。

図書館.png

何のため、と驚く実例を「痕跡本の世界」(ちくま文庫)で読める。

図書館や刑務所の蔵書だった代物もある。
公共財なら書き込みはマナー違反、と言われればその通り。
ただ、人には秘めた思いを誰かに伝えたいときもあろう。

こちらの「つぶやき」もやむにやまれぬ思いだったか。

神奈川県鎌倉市の司書が「学校が始まるのが死ぬほどつらい子」に向けて「学校を休んで図書館にいらっしゃい」とツイッターで呼びかけた。

「一日いても誰も何も言わないよ」。
さぼりの勧めか、といぶかった向きもある。

一時は削除が検討されていたようだが、好意的な反響が上回った。
「疲れた心に寄り添うような本が見つかるかも」と呼びかけは続く。

今、手を抜くわけにはいかないはず。
内閣府が18歳以下の自殺の時期を分析すると、4月と9月の上旬に突出していた。

ぶらり足を踏み入れた図書館で、知らない誰かの人生の痕跡をたどる。

造語で恐縮だが、生きる途をともに考える「途書館」であれ、と願う。
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