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福島が薄れ東京五輪が近づく、ジレンマを綴った川柳句集 [訃報]

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 福島からの風.png

「福島からの風」が届いた。
そんな題名の川柳句集。
福島県のへその位置にある本宮市の元県職員、伊東功さんが自費出版で分けていると知り、送ってもらった。

おととし出た第2句集には、東京五輪にちなんだ句が目に付く。
<五輪より一輪の花被災地へ>。
花の舞台に寄せる心の、せめて5分の1でも・・・との願いが切ない。
読んだ何人もが「気持ちを代弁してくれた。全国に届けて」と勧めてくれたという。

五輪の句は、ことし第3句集にも入っている。
<あと4年故郷追われもう5年>。
残り年数のカウントダウンに入った世の中との落差。
福島第一原発から60㌔離れた本宮市は、避難区域の高校生たちも受け入れてきた。
その胸中に寄り添う。

粛々と、時計の針を元に戻す原発の再稼働にも、「風」は目を向ける。
<川内をさせてはならぬセンダイに>。
フクシマを経験した以上、電力会社や国にだまされたとは二度と言えない。
そうした自戒とも読み取れる。

一言居士のようだが、句に添えられた解題に奥さんの陰がちらほら。
以前と似た作品には「アンタ、またズルやったわね」と厳しい。
手加減なしの批評にさらされ、耐えた「風」は、かみしめがいがある。


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