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戦前の姿に甦った広島猿猴橋、平和と繁栄のシンボルたれ [世相雑感]

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猿猴橋.jpg

猿猴橋(えんこうばし)のたもとには夕もやが生じ、両岸にはすでに明かりがともっている。
江戸時代、京から広島に戻った頼山陽が作った漢詩の一節である。
当時、猿猴橋にかかる橋は城下町への東の玄関口。
母に会いたくて早足で渡ったと詩は続く。

猿のような河童(かっぱ)のような怪物「猿猴」が住むと伝えられ、川と橋に今も名を残す。
広島駅の南にある現在の橋は大正末期に完成した。
モダンで華麗な装飾から「広島一の橋」といわれた。

建設当時、四隅の親柱の上では鷹(たか)のブロンズ像が羽ばたき、欄干の透かし彫りでは2匹の猿が向き合い、桃を抱えていた。
残念ながら戦時中、金属製の装飾はすべて供出されてしまった。

飾り気のない石の橋となったが、被爆した街ちの復興を見守り続けた。
なんとか往時の姿を復活させたい・・・。
地元住民の働きかけをきっかけに市も昨夏から復元を進めてきた。
73年の時を経て親柱には4羽の鷹が、欄干にも80匹の猿が戻った。
あとは28日のお披露目を待つばかりだ。

夕もやの生じるころには、橋に再び明かりがともる。
たもとでは50階を超える摩天楼の建設も進む。
開発とともに日々移ろう両岸の風景の中、時計の針が戻ったようで少しほっとする。


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