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新国立競技場A案採用、「杜のスタジアム」落着に安堵の声 [世相雑感]

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新国立競技場A案.png

風は南から北へと流れる。
ゆえに古い家は南北に坪庭と緑を配し、家の中を吹き抜ける造りにする習わしである。
香川県直島の本村(ほんむら)という港町。
この地に現れた「直島ホール」は温故知新の公共建築といえる。

設計者は2年半かけて文字どうり風を読んだという。
屋根に風穴を開け、取り入れた外気を室内で対流させるすべを編み出した。
天井は断熱性の高い漆喰で塗り、空調はいらない。
同時に建てた集会所は地下水の循環で夏の暑さをしのぐ凝りようだ。

こちらは世論という風を読んだと見える。
新国立競技場の出直し計画である。
応募の2案はともに神宮外苑との調和を重んじて「杜のスタジアム」をうたう。

僅差で選ばれたA案には「風の大庇(おおひさし)」がスタンドにある。
日本の伝統的な風の取入れに倣い、季節ごとに格子の幅を調整するという触れ込みだ。
「A案もB案も似たり寄ったり」との評があろうが、あの巨大アーチ案を思えばほっとする人もいよう。

「風を共有する」という言葉を直島で聞いた。
一陣の風は一軒の家にとどまることなく、吹き抜けていくという。
土地で培われた知恵だろう。
「和」を重んじる巨大スタジアムは、そんな風も取り入れてほしい。
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