お正月行事たけなわ、イベントで食品取扱は細心の注意を [世相雑感]
幅を利かせたクリスマスの電飾は鳴りを潜め、替わって一つ先の正月飾りが目立っていた。
広島市内のホームセンターのこと。
鏡餅が手のひらサイズから堂々たるものまで、山と積まれている。
餅をつく家が減り、きねや蒸し器の売り場はこぢんまり。
人が手をかけたぬくもりより、汚れの方が気になる時代なのだろう。
屋外の餅つきイベントを規制する自治体が都会の周辺にあると、農業専門紙が伝えていた。
食中毒を警戒しての措置らしい。
手で餅をこねたり、丸めたりするうちにウイルスや菌が付いて、大勢に振る舞えば集団食中毒を招きかねないから、と。
「安全第一は当然」とうなずく声がある一方、「伝統が廃れてしまう」という懸念も聞かれる。
臼を挟んで、つき手と返し手が息を合わせてぺったん、ぺったん。
幼子が大人に支えられ、きねを振るう姿もかわいらしい。
今もそんな光景に街角で接すると師走の気ぜわしさをひととき忘れて、温かな心持ちになる。
両隣催合ひて餅を搗く支度(繁富比呂史)。
餅つきは人々をつなぎ、地域やコミュニティーで包み込む効用もある。
道具の消毒や手洗いを徹底し、何とか続けられたら。
餅のように長く粘り強く。
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