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カジノ法案衆院可決、国家財政立て直し財源をもくろむのか [世相雑感]

カジノ法案衆院可決.png

かつてカジノ合法化を公約に国政へ打って出た作家がいた。
後に対談で当然落ちますよ、もうけて老人福祉に使おうと言ったけど…と振り返っている。
行動はとっぴにも見えるが、感覚は至極まっとうに思う。

経営する南仏のカジノが法に触れて事業をたたみ、妹は失意のうちに急死する。
実業家堤清二さん(作家辻井喬)の回想録「叙情と闘争」に、その死を悔やむくだりがある。
彼女からは「こちらでは社交場なのよ」と聞かされていた。

カジノは大きな利権であってセゾングループの理念とは相いれない…。
堤さんはそう忠告してきたが、彼女は「日本人はギャンブルというと…」と反論したという。
堤さんも程なくセゾンから手を引く。

兄妹の父親は「女に学問は要らない」と決めてかかっていた古い人だった。
いわば日本的なものへの抵抗として、妹は異国で仕事に打ち込んだようだ。
カジノもうらぶれた日本のギャンブルとは違うと信じ、社運を賭したのだろうか。

今、カジノ法案が日本の国会で成立しようとしている。
成長戦略といううたい文句で。
世界各地にあるカジノが日本にまで、必要だと思いますか…。
泉下の二人に尋ねてみたいが、かなわない。




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昭和の娯楽を牽引した名物江戸時代劇の終焉は、わが人生の区切りでもある [日記・雑感]

鬼平.png

存在感ある脇役、尾美としのりさんのファンである。
思えば尾道が舞台の映画「転校生」から。
はまり役が、ついに幕を閉じた時代劇「鬼平犯科帳」の若手同心だろう。
どじばかりで剣術もへっぴり腰だが、憎めない。

長谷川平蔵率いる江戸の火盗改と支える密偵たち。
平成の世とともにシリーズを熱演してきた面々も寄る年波は隠せない。
主演の中村吉右衛門さんは72歳、最若手だった尾美さんも50歳と確かに潮時といえなくもない。

だが味わい深さは最後まで変わらなかった。
例えば不幸な過去を隠すため、人を手にかけた旅籠のおかみを「夢でも見た」と平蔵が許す場面だ。
過去に見た筋書きのリメークとはいえ涙腺が緩んだ。

鬼平人気はバブル崩壊や構造不況の時代と重なる。
「水戸黄門」のような明快な勧善懲悪とは違い、割り切れぬ人の世の闇を照らして立ち上がるすべを探す・・・。
日本人の共感を広げたのはそんな目線ゆえかもしれない。

時代劇が冬の時代と言われて久しい。
5年前の黄門様に加え、鬼平も去ったテレビ界は江戸を撮れるスタッフの先細りも懸念される。
今度は尾美さんが、酸いも甘いもかみしめた役を演じる新しい鬼平などは夢なのだろうか。




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