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生は死で果てる、何を残すか「終盤は村山に訊け」 [世相雑感]

村山聖.png

道端にへたり込んだ青年は人手を借り、ふらふらで大阪の将棋会館へ。
きのう封切された映画「聖の青春」は、29歳で早世した村山聖の生きざまを象徴するようなシーンで幕開けする。

広島県府中市出身。
腎臓の病と闘いながら、羽生善治と渡り合い「東の羽生、西の村山」と称された。
本人に合わせ、20キロ太って撮影したという松山ケンイチの迫真の演技もさることながら家族愛や師弟愛、ライバルの友情と、ほろりとくる場面も。

映画では描き切れなかった逸話もある。
対局料の中から貧しい国の孤児にこつこつと仕送りを続けた。
弱い者を助けたい、特に子どもを・・・。
少年時代の長い療養生活に彼の原点があるのだろう。

病気やけがで長期入院する子どもは、全国で6千人を超す。
心の支えはきっと要る。
父が差し入れた将棋盤から夢を広げた「怪童」のように。
若過ぎた死を惜しんで2002年に古里で創設された「村山聖杯」はこの夏、過去最多の子どもを集めた。

生前に鋭い観察力から「終盤は村山に訊け」と棋士仲間に言われた。
その不屈の指し手は盤に向き合う後輩たちにも息づいていよう。
最後まであきらめないのが強さだ、と。
それは将棋に限らない。




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