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国家力は社会保障と連動、人間裁判に生存権の真実を見る [世相雑感]

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一度でもバナナを食べてみたい。
重い結核を患い、岡山の国立療養所で暮らす朝日茂さんの言葉が東京地裁関係者の心に刻まれた。
戦後史の残る「朝日訴訟」。
1959年夏の出張尋問である。

生活保護水準が低すぎて日用品や栄養にも事欠く。
健康で文化的な最低限度の生活をうたう憲法25条に反する・・・。
病床からの問い掛けに、尋問を終えた裁判長の一言もまた重かった。
「憲法は絵に描いた餅ではない」。

NPO法人が岡山市内に開いた朝日訴訟記念展示室に足を運んだ。
肺のエックス線写真、支援を求める手紙1万通を書いたペン。
道半ばで命尽きた原告の思いが資料から伝わる。
憲法の生存権と現実の落差が浮き彫りになった時代、一審勝訴は社会保障全体の底上げにつながった。

その熱気はもう歴史の一こまか。
国会では年金支給の抑制など社会保障に切り込む空気が強まる。
弱い立場の人の生きる権利が脅かされないか気掛かりだ。
数々の災害の被災者も含めて。

きょう憲法公布70年。
押し付け論もあるが、25条は初代広島大学長を務めた森戸辰男ら日本人の願いが実を結んだ重みも忘れたくない。
絵に描いた餅のままになっていないか、自省し続けたい。




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