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日本の固有文化「山・鉾・屋台行事」ユネスコの無形文化遺産に登録の見通し [世相雑感]

山 鉾 屋台行事.png

瀬戸内海の島の娘ミネが荷役業の貧しい父に連れられ、初めて本土に渡る。
修学旅行にも行かず家業を手伝う16歳を、皆がふびんに思っての祭り見物ー。
「二十四の瞳」で知られる壺井栄の「初旅」はほほ笑ましくも、ほろ苦い小編である。

<おふね、おふねと騒ぐ声にふと見ると艫にどんちょうをかけた船形の山車が、裸の男たちに引かれていた>。
ミネたちが乗ってきた自前の小舟とは随分違う。
夢のようだが、気後れした父に、もう帰ろうと促される。

「山・鉾・屋台行事」が、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しになった。
国の重要無形民俗文化財である祭り33件で構成され、近場では博多祇園山笠がリストに。

祭りの山とは神が降り立つ場所であり、神を喜ばそうと派手に飾り立てるのではないか。
山などを引く日本の祭り全体が評価されたと考えればなお楽しい。
ミネの見た祭りは33件に含まれていないだろうが、けなげな娘の生きる糧だったに違いない。

次は「来訪神ー仮面・仮装の神々」とくくった行事の登録が審査されるという。
恐ろしげな「男鹿のなまはげ」をもてなすように、降り立った神や人を粗末にしない文化が、この国にはあると知る。




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