プロ中のプロのプロ根性、超えたものだけが異次元を見る [スポーツ]
カキーン、パシッ。
球場に響く音がファンを熱くする。
野球選手にとっても大事な要素らしい。
きのうのカープ。
試合は小雨ぱらつくなかで始まったが、キャッチャーミットはいい音を立てていた。
先発は黒田博樹投手で、倉義和捕手が受ける。
先頭打者に対してだけだったが、9年ぶりに復活したバッテリーである。
だが歴戦の投手も胸いっぱいで目が潤んだか。
ミットを構えたところへと球は行かず、四球を与えた。
倉捕手には黒田投手を激怒させた伝説がある。
11年前の日南キャンプ。
早く重い球を受け止めても、ミットが鳴らない。
鈍い捕球音では投手は乗れないという。
やがて黒田投手は投げるのをやめ、引き揚げてしまった。
自分の未熟さ、甘さに捕手は涙し、マシン相手に1人、捕球練習を繰り返した。
努力は実り「黒田専属」としてメジャー移籍まで女房役を務める。
パシーンと、痛快な音を響かせて。
「あの時、プロとしての心構えを教わり、19年間プレーできた」
この日は、やはり今季でユニフォームを脱ぐ広瀬純選手の出場にもファンの期待が集まった。
バットの快音を聞きたくて。
ところが水を差されてゲームは流れた。
別れを惜しむ涙雨だったろうか。
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