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「カジマヤーを祝う」素朴に生きる沖縄に幸せの風車であれ [世相雑感]

かじまやー.png

旅先で地元紙を買わずにはいられないたちだ。
ささやかな記事にも小さな驚きを見つけては楽しむ。
先日は沖縄で読んだ「カジマヤー祝う」の見出しの記事がそうだった。
おばあさんの数え97歳を祝って、何と親族90人が車列を組んでパレードしたという。

媼(おうな)は山でまきを拾い、海でタコを取って糧を得てきた。
やしゃごを抱くことができる小さな幸せが今ある。
カジマヤーとは風車の意。
その年になれば童心に帰るという言い伝えだろう。
風車を振ってことほぐのである。

人なら歳月に耐えて花開く。
こちらは誰か、カジマヤーを振るだろうか。
沖縄の辺野古の海を埋め立てて築く米軍基地は、「200年に耐えるというが」。

同じ日の新聞は「辺野古が唯一」という国の主張を受け入れた司法への疑念に満ちていた。
知事があぜんとしたのも無理はない。
かつて米軍は「銃剣とブルトーザー」で基盤を造ったが、今はわが政府が願ってやまない。

リオデジャネイロ・パラリンピックの閉会式では聖火の炎を風車の風で消す演出があった。
だが、沖縄の人たちの怒りと嘆きの炎をなだめる風車はあるまい。
やしゃごがができても変わらない「基地の島」の現実がある限り。




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長寿を喜ぶだけで良いのか、考えさせられる日でもあった [世相雑感]

敬老の日.png

孫にいたわられて、祝ってもらって、年輪刻んだ顔をしわくちゃにする人もいるだろう。
きょう50回目の敬老の日。
元はとしよりの日と呼ばれていたものを祝日に。
半世紀を経て、お年寄りへの尊敬の念は深まってきただろうか。

寿命が延びて、高齢者とされる年齢やその意識も変わってきた。
まだまだ現役と、仕事や趣味に活発な人が多い。
反逆する敬老の日を出歩きて(大川俊江)。
敬老会なぞお断りという、かくしゃくたる向きもあるだろう。

超高齢化社会である。
2050年、65歳以上一人が現役世代一人で支える「肩車社会」に・・・。
そろばんがはじかれ、社会保障費の増加が問題視される。
この風潮に、高齢者では居ずらいと思う人が増えるかもしれない。

100歳になる人に贈る「銀杯」は、純銀製から安価な銀メッキになった。
世知辛いものの「百寿者」から文句は出ないだろう。
100歳を超えた人の多くは、人生に幸せや満足を感じるようになる、と分ってきた。

80代を過ぎ、さらに年齢を重ねるうちに不安や否定的な感情が薄れるようだ。
達観した穏やかな境地へ至るに違いない。
人生とは何か。
いぶし銀のような輝きを放つ先輩にしっかり学ばねば。




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七転び八起き、打たれてなお強し、あまちゃんの北三陸は立ち上がる [世相雑感]

北三陸.png

また「あまロス」に襲われるか。
ケーブルテレビの楽しみだった連ドラ「あまちゃん」再放送が終わった。
岩手県久慈市をロケ地とする架空の街「北三陸」を舞台に3・11の前と後を描く。

津波を乗り越え、輝くヒロインに元気をもらうだけではない。
脇役の熱演怪演にも心和む。
地元の喫茶店にたむろする「勉さん」もその一人。
特産の琥珀(こはく)堀で無口な変わり者だが、ここぞという場面に人の力になる。

ドラマ人気に誘われて久慈に足を延ばし、琥珀製品を手にしたのを思い出す。
全国から集うあまちゃんファンの目の輝きも驚いた。
NHKの放送から3年、やや神通力も薄れ始めたところに襲ったのが台風10号である。

お茶の間でおなじみの「北三陸」は街中が水没して泥だらけに。
意気消沈する中にも明るい動きはある。
劇中の喫茶店のモデルとなった店が、きのう復活した。
ファンの聖地として熱い励ましや片付けの支援を受けて。

勉さん役の塩見三省さんも気遣うメールを寄せ、ロケで意気投合した店主の力となったらしい。
大震災から5年半、台風で二重の被災地となったところは少なくない。
元気を出し、人の輪を再び広げるためにも「続編」を願いたい。

※「あまロス」症候群  知恵蔵miniの解説

2013年度上半期放送のNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の放送終了後に視聴者が覚える喪失感の深さを、ペットロス症候群にかけて表した造語。「あまちゃん」は同年4月の放送開始から9月26日放送分までの期間平均視聴率が20.6%(ビデオリサーチ調べ)を記録した大ヒットドラマで、登場人物が子ども、親、祖父母の3世代にまたがっていたことから、ファン層も広い。
(2013-9-31)




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タグ:北三陸
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地方銀行は正念場、加速する経済構造の変化に生き残りをかける [世相雑感]

地方銀行.jpg

地方銀行にとって大切なのは何か。
「地方産業の育成」と故中山均氏は言っていた。
地銀の雄、静岡銀行のたたき上げの頭取から日銀の政策委員まで務めた。
「その発展がなくしては日本経済の確立もない」と回顧録にある。

60年前の言葉が新鮮に響くのは、いま地銀に突き付けられた宿題と重なるからだ。
10年後に貸し出しなどの本業で6割が赤字・・・。
金融庁のショッキングな試算からも深刻さがうかがえる。

人口が減り、現役世代が先細れば貸し出しが落ち込むのはやむを得ない流れだろう。
今のマイナス金利も追い打ちをかける。
得られる利ザヤが縮まり、そして低金利で貸し出す銀行同士の過当競争に終始すれば将来は暗い、という警告は確かに重い。

地域に根差す金融機関に求められるものを、見つめ直したい。
預金者ならばATMなど身近なサービスの充実か。
青息吐息の中小企業には親身になって相談でき、適切なアドバイスで事業を軌道に乗せる役回りだろう。

低迷する地域経済に寄り添い、活性化させる地銀の責任は引き続き重い。
その昔、中山氏も関わった日銀の金融政策の行方を占う会合が来週に迫る。
地方のなりわいを育てる視点だけはお忘れなく。




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子育支援対策の切り札に、マンパワーネウボラで切れ目なく [世相雑感]

ネウボラ.png

豊かな谷で仲良く暮らすムーミン一家。
おなじみのアニメの物語は日本人が北欧に抱くイメージとも重なろう。
福祉と教育の充実である。
ただ、それも負担の重さゆえで、簡単にはまねできないとも思われてきた。

ムーミンの古里フィンランド発の子育て支援策に最近、日本から熱い視線が注がれる。
「ネウボラ」である。
向こうの言葉で「アドバイスの場」の意味という。
福山の新市長も、所信表明で地元版の実現を打ち上げた。

首都ヘルシンキ近くの施設を訪ねた福山市立大の正保正恵教授によると、子育て全般をサポートする拠点だそうだ。
地域ごとにあって専門員が妊娠時から個別に対話を重ねる。
悩めるママやパパには心強い存在なのだろう。

少子化に悩む日本でも支援メニューはそれなりに充実してきたが、やはり難点は縦割りか。
かの国のように窓口がワンストップ化されるだけでも不安解消の一歩になりそうだ。
しかも税金をそれほど投じなくてもいい。

あちこちの自治体が「ネウボラ」に名乗りを上げている。
大切なのは看板より中身だろう。
切れ目なく関われば、虐待や貧困と向き合う端緒にもなり得る。
ムーミン谷のイメージにどこまで近づけるか。




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大疑獄事件に発展か、豊洲市場の地下は空洞すっからかん [世相雑感]

豊洲市場.jpg

豊臣秀吉は能をこよなく愛した。
見るだけに飽き足らず、自らの出世を描いた演目を作らせて舞うほど。
その太閤ゆかりとされる能舞台は没後、伏見城から備後に移され、今は福山市鞆町の沼名前(ぬなくま)神社の境内に立つ。

もともと合戦場などへの持ち運びも想定した組み立て式だった。
移設に当たっては、床下の細工も抜かりない。
演者が踏み鳴らす音を響かせるために、大ぶりな甕(かめ)を7基ほど潜り込ませた。
昔ながらの音響装置である。

こちらの床下は本来あるべきものがない。
東京都が築地から移転させる豊洲市場だ。
土壌汚染対策で切り札の「盛り土」が、肝心な場所にないことが発覚した。
青果や鮮魚を扱う棟の下には不可解な空間がぽっかりと。

建物全体の下に盛り土を求めた専門家会議の提言を無視し、議会でものらりくらりと答弁を重ねた。
気取られぬよう都の幹部連中は能面でもかぶっていたか。
「日本の台所」の不協和音が広がれば、食の屋台骨も揺らぐ。

能の筋書きなら「序破急」と三つの展開を踏む。
序盤は笛と足踏みを含んだ舞から。
次第に熱を高めて革新へと近づく。
混迷する都政の舞台に躍り出た新知事は、どこまで謎を掘り下げられるだろう。




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感動冷めやらぬ広島の街々、心に焼き付いた優勝の記憶 [スポーツ]

広島繁華街.jpg

盆と正月がいっぺんに来たようなカープ優勝のにぎわいは、少しずつ落ち着いてきた。
しかし、広島の街のあちこちを彩る赤は、まだまだ消えそうにない。
セールの張り紙はもちろん店員や買い物客も赤が目立つ。

街を歩くだけで、何か気持ちが浮き立つ。
広島銀行の本店には学校のプールよりも大きな垂れ幕。
普通のサイズの25倍も待った末の喜びが、真っすぐに伝わってくる。

刺激的で、視界に飛び込んでくる色である。
情熱を感じさせ、闘争心をかき立てる。
スペインの闘牛士が牛を挑発するのも赤い布だ。
街を満たす高揚感にはこの作用もあるのかもしれない。

心理学では、強烈に感動した体験は記憶に残りやすく、繰り返し思い出すと前向きな効果が強まるという。
赤があふれる街は、あの喜びを何度もかみしめさせ、気持ちを前へと向かわせる。

チームカラーに加わったのは初優勝の年だ。
広島の街で41年間、熟成された赤である。
通説では説明できない心に染み入る温かさを持っているに違いない。
だからこそ、地域の明日を育む力につながる。
カープレッドをもっと長く、じっくり味わいつくそう。




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9・11から15年、中東は混迷を深めテロの恐怖は世界に拡大 [世相雑感]

9.11から15年.png

白くほこり舞うがれきを背景に、3人の消防士が星条旗を掲げる。
「9・11」現場の写真を基にした米国の切手の図柄である。
現地に住む友人からのエアメールに貼ってあったことを思い出す。
一つの旗の下に愛国心を奮い立たせるこの国らしい。

モデルとなった実物の星条旗が先日、見つかった。
12年ほど前、行方知れずになっていたが、付いてたほこりから本物とわかった。
惨事から立ち上がった「米国の象徴」として現地では大きく報じられているという。

だが星条旗がもたらしたものは何だったか。
テロの衝撃から、市民は「報復を」と叫んだ。
アフガニスタンに戦争を仕掛け、イラクに多くの兵員を送った。
今なお中東は混沌としテロの恐怖は広がる。
外から見たその旗は、決して正義の証ではあるまい。

米中枢同時多発テロから15年になる。
私たちはこの間、何を学んだのだろう。
「敵か味方か」区別して、正義を振りかざすことの危うさか。
それとも憎しみの連鎖を引き出す偏見の怖さか。

かの星条旗は再びグランド・ゼロに戻り、展示された。
願わくば、憎悪を断ち切る勇気の証として掲げてほしい。
それこそがテロとの戦いだと信じる。




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広島東洋カープ、25年ぶり悲願のリーグ優勝 [スポーツ]

カープ優勝.png

緒方孝市監督の体が宙に舞う。
2回、3回・・・。
左半分が赤く染まった東京ドームが沸いている。
本拠地広島での胴上げは次のステージにお預けとなりそうだが、帰ってきた。
われらの強いカープが返ってきた。

昨季までとは見違えるほどのチームに変わった。
優勝へのマジックは足踏みせず、鬼神も恐れをなすほどの快進撃ぶりだった。
神懸かりとはこのことか。
一体全体、何がおきたのだろう。

水を得た若ゴイの勢いに目を見張る。
サヨナラ弾の連発で代名詞「神ってる」を授かった鈴木誠也選手は、有頂天になるどころか練習の虫そのもの。
脈打つカープ野球の伝統に目を細めたファンも多いはずだ。

見習うべき「鑑(かがみ)」がそばにいたせいもあろう。
黒田博樹投手と新井貴浩選手である。
口を開けば「チームのため」「ファンのため」と、投打の大黒柱は一球、一打席をおろそかにしない。

カープの黄金時代を支えた衣笠祥雄さんが半生記「野球の神様がいた球場」にかいている。
ファンと選手と監督が力を合わせ、長年にわたり苦難を乗り切ってきたからこそ市民球場も球団も愛されたのだ・・・と。
たまりにたまった25年分の憂さを吹き払う優勝で、絆は一段と強まった。




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喫煙に甘い日本、東京五輪をにらみ「たばこ白書」は提言する [世相雑感]

たばこ白書.png

じゃましないで欲しいな、わずかなやすらぎを・・・。
気だるい声とメロディーは、立ち上がってくる紫煙のよう。
広島市生まれの歌手奥田民生さんは「たばこのみ」と題した曲で愛煙家の気持ちを歌う。

趣味と嗜好は人それぞれ。
吸う人もそれなりに健康を気にしながらマナーを守り、たしなんでいるはずだ。
それでも年を追うごとに肩身は狭くなってきた。
15年ぶりに改訂された「たばこ白書」が追い打ちをかけそう。

白書は記す。
他人のたばこの煙を吸って病気になり、亡くなる人は年間1万5千人。
いわゆる受動喫煙が肺がんや脳卒中、小児ぜんそくを引き起こすリスクを最も高い「レベル1」とした。
煙たがれても無理はない。

世界保健機関から、受動喫煙を防ぐ日本の対策は最低レベルとされた。
4年後の東京五輪に向けたイメージ回復のためか、白書はうたう。
病院や学校、レストランなど公の場所では分煙でなく「100%禁煙を」と。

たばこのみには白書というより煙たい「黒書」かもしれないが、害とリスクを考えれば、むべなるかな。
じゃまはしないから、周りに配慮して欲しいな・・・。
吸う人と吸わない人が、安心して共生できる世の中でありたい。




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