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郷愁を誘う便利で懐かしい道具、古里の思い出は蚊帳の中に [世相雑感]

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帰省ラッシュを脱し、ひと息ついてる人も多いだろう。
古里で過ごすお盆の思い出といえば、昔は蚊帳だった。
隙間から蚊が入り込まないようにするにはコツが要る。
都会っ子は戸惑いつつも新鮮に感じた。

昭和の作家、谷崎潤一郎も随筆を残してる。
四方の雨戸を開け放って、真っ暗な中に蚊帳をつって転がるのが涼しくする最上の方法であると。
名著「陰翳礼賛(いんえいらいさん)」は昭和初期にして、早くも節電の大切さを説いている。

そもそもが明るすぎる証明へのふまんから。
京都のホテルに泊まった谷崎は天井いっぱいの電灯の熱にうんざりする。
<元来室内の灯し火は冬はいくらか明るくし、夏はいくらか暗くすべきである>。
そうすれば虫も飛んで来るまいと。

泉下の文豪も眉をひそめよう。
きょう愛媛県の伊方原発が再稼働する。
昔に比べ電力需要は格段に伸び、温暖化も進む。
ただ福島のような重大な事故が起これば、蚊帳を懐かしむどころか古里の空気さえ吸えなくなる。

「3・11」の教訓も残念ながら薄れてきて、世論にも原発回帰論の入り込む隙間が広がりつつある。
電力会社や自治体が、安全性や避難計画を心配する人たちを「蚊帳の外」に置くのなら困るが。


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