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表現の人永六輔さん逝く、主張し行動し信念の人 [訃報]

永六輔.jpg

人生は、旅によく例えられる。
といっても、あなた任せのパック旅行を思い浮かべる向きは少なくないだろう。
テレビの長寿番組「遠くへ行きたい」で初期に道案内をした永六輔さんに名言がある。
「横町を曲がれば、もう旅は始まっている」

その人が永遠の旅に出てしまった。
「電波の届く先で見聞きし、スタジオに戻って話せ」。
師と仰ぐ民俗学者宮本常一の教えどうり、ちまたの声を拾ってラジオ番組で伝えた。
ロングセラー「大往生」も、その副産物だ。

横丁は曲がっても、信条は曲げない人だった。
職人から尺寸の物差しを取り上げた国を相手に、お縄も覚悟で尺貫法の復権運動を繰り広げた。
「遠くへ行きたい」の広告主だった国鉄の民営化に新聞の意見広告で異を唱え、番組を降ろされたことも。

昭和一桁生まれで、大の戦争嫌い。
俳優小沢昭一さんや落語家桂米朝さんとの句会が続いたのも、きな臭さに対する嗅覚が似ていたからという。
憲法のありがたみを知る人を見送るのは今、寂しいだけでは済まない。

東京の下町暮らしで、俳号も「6丁目」とした。
<遠まわりして生きてきて小春かな>。
早口の、あの江戸っ子がたどり着いた旅の境地とも読める。


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