棋界激震の後始末、汚名挽回、信頼回復にトップ交代 [世相雑感]
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将棋の羽生善治3冠は対極の終盤、勝ちを確信すると駒を指す手が震えだす。
「孤高の天才」と呼ばれる最強棋士が見せる心の乱れだろうか。
人間らしい一面に触れ、少しほっとする。
同じように佐藤康光九段も優勢な局面を迎えると、せき込んでむせる癖がある。
深い読みで「1秒間に1億と3手読む男」とも称される。
羽生3冠と棋界を引っ張る元名人がきのう、日本将棋連盟の新会長に選ばれた。
前途は多難だろう。
トップ棋士にコンピューターソフト不正使用疑惑が浮上し、異例の出場停止とした騒動がまだ収まっていない。
「不正の疑いはなし」となった責めを負い、会長を退いた谷川浩司九段から引き継ぐ宿題は多い。
ソフトを巡って「もっと早くルールを決めていれば」と嘆いても後の祭りだ。
不正の汚名をそそぎ、ファンの信頼回復も欠かせない。
将棋界のダメージを挽回する妙手を見せてほしい。
「ソフトはプロを超えた」とされるが、将棋の魅力は勝ち負けの結果だけではないだろう。
「棋は対話なり」とも言われる。
ひたすら盤面を読み、体を震わせ最善の一手を絞り出す。
個性あふれる人間同士がひたむきに向き合うドラマこそが感動を呼ぶ。