人の3倍働き、3倍遊んで、でっかく地球を生きた人 [訃報]
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利口でなれず、馬鹿でなれず、中途半端じゃなおなれず・・・。
役者稼業の例えである。
もうひとつ別格がスターだと、亡き山城新伍さんがかいている。
「千両稼いで、余さず使ってこそ千両役者と言われる」。
後輩の映画俳優だったこの人も、聞かされたのではないか。
きのうテレビ各局の追悼番組で「打ち上げに、身銭をポーンと1千万円・・・」式の豪快伝説が語られていた。
昭和の銀幕スター、松方弘樹さんが息を引き取った。
ビートたけしさんのテレビ番組に出たのも、映画人として広告塔の腹積もりから。
眼光鋭い役柄とはギャップの大きい笑い上戸も隠さず、お茶の間の人気をさらった。
ヒット作に沸いた昨年の邦画界を病床でどう眺めていたのだろう。
口癖は「人の3倍働き、3倍遊んで、でっかく地球をいきてやろう」。
半生記は、仕事よりも多くの紙幅を釣りに割いている。
カジキやクロマグロの一本釣りに焦がれて、海から海へ。
萩市の見島沖でも大物を追った。
享年74歳。
人生の幕を引くには、あまりにも早すぎた。
半生記のおしまいに、こんな川柳が見える。
「我が仕事釣りにも似たり浮き沈み」。
その魂は今ごろ、大海原を駆け回ってるかもしれない。