SSブログ

害獣も使い方で資源に、伝統文化継承の担い手になる [世相雑感]

スポンサードリンク




根付.jpg

江戸時代のおしゃれに「根付(ねつけ)」があった。
たばこ入れや印籠などのひも先に結ぶ留め具のこと。
着物の帯に引っ掛ける。
ちょいとのぞく小物に凝るところが粋だったらしい。
携帯電話のストラップを思わせる。

花や動物、虫をかたどり細工を施した根付には、欧米の好事家も目を見張った。
今も美術品として人気で、「Netsuke」で通るという。
中でも珍重されたのが象牙製である。
物が極めてまれで加工もしやすく、その彫刻は微に入り細をうがつ。

象牙市場の閉鎖に向け、ワシントン条約締約国会議が決議した。
はびこる密猟や密輸で、アフリカゾウが絶滅の淵に立たされている。
動物園でもおなじみの動物が悲鳴を上げていると思えば、胸が締め付けられよう。

島根県西部は古くから根付の産地だった。
彩色豊かな「岩見根付」は誇るべき、小さな美の世界として、県立岩見美術館も収集に力を入れる。
創始者が出た江津市では作家が踏ん張り、伝統の美と技を受け継いでいる。

今は象牙より、むしろ猪の牙を使うと聞く。
田畑を食い荒らす獣は、なるほど地域資源でもある。
獣害対策を兼ね、猪の牙や鹿の角を工芸に生かす一石二鳥は、今風の粋といえる。


nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。