七転び八起き、打たれてなお強し、あまちゃんの北三陸は立ち上がる [世相雑感]
また「あまロス」に襲われるか。
ケーブルテレビの楽しみだった連ドラ「あまちゃん」再放送が終わった。
岩手県久慈市をロケ地とする架空の街「北三陸」を舞台に3・11の前と後を描く。
津波を乗り越え、輝くヒロインに元気をもらうだけではない。
脇役の熱演怪演にも心和む。
地元の喫茶店にたむろする「勉さん」もその一人。
特産の琥珀(こはく)堀で無口な変わり者だが、ここぞという場面に人の力になる。
ドラマ人気に誘われて久慈に足を延ばし、琥珀製品を手にしたのを思い出す。
全国から集うあまちゃんファンの目の輝きも驚いた。
NHKの放送から3年、やや神通力も薄れ始めたところに襲ったのが台風10号である。
お茶の間でおなじみの「北三陸」は街中が水没して泥だらけに。
意気消沈する中にも明るい動きはある。
劇中の喫茶店のモデルとなった店が、きのう復活した。
ファンの聖地として熱い励ましや片付けの支援を受けて。
勉さん役の塩見三省さんも気遣うメールを寄せ、ロケで意気投合した店主の力となったらしい。
大震災から5年半、台風で二重の被災地となったところは少なくない。
元気を出し、人の輪を再び広げるためにも「続編」を願いたい。
※「あまロス」症候群 知恵蔵miniの解説
2013年度上半期放送のNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の放送終了後に視聴者が覚える喪失感の深さを、ペットロス症候群にかけて表した造語。「あまちゃん」は同年4月の放送開始から9月26日放送分までの期間平均視聴率が20.6%(ビデオリサーチ調べ)を記録した大ヒットドラマで、登場人物が子ども、親、祖父母の3世代にまたがっていたことから、ファン層も広い。
(2013-9-31)