進む山間部の過疎化、揺れる三江線廃線の行方 [世相雑感]
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ネット競売に出品されたばかりの古びた切符が目に留まった。
岩見川本駅発、220円の硬券。
昭和50年8月31日の日付がある。
三江線が全線開通した日のものだ。
沿線の歓喜の列を思う。
秘蔵していたマニアが廃盤必至と聞き、手放そうと思ったか。
きのうJR西日本による最後通告は、確かに全国の「鉄ちゃん」にも衝撃だろう。
100㌔を超す鉄路の消滅は国鉄民営化後、本州では例がないからだ。
危機が表面化して1年。
三江線には「乗り鉄」がはせ参じ、乗客増に貢献したらしい。
地上20㍍、高架橋上にホームがある宇都井(うずい)駅の光景も珍しいと評判が高まる。
ただ巨額の赤字をはね返すには焼け石に水だったのか。
ここに至る逆風は時代の流れともいえよう。
沿線でどんどん人が減る上に「一家に2台、3台」のマイカー。
乗らずして存続もない。
かの天空の駅を、車で見に行ったわが身を思い返す。
全通に際し、元祖鉄っちゃんの作家宮脇俊三氏が岡山から浜田まで在来線を走る急行を提案したことがある。
廃線になるとしても少し時間があろう。
陰陽を結ぶ鉄路が最後まで輝きを放つようアイデアを出し合えないか。
同じく廃線に揺れるローカル線仲間も交えて。