「たいまつ」発刊反戦訴え続けた、むらのたけじさん亡くなる [訃報]
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小新聞「たいまつ」を始めて16年過ぎた。
なぜか地元の有力者が祝賀会を開いてくれるという。
宴たけなわで真意をただすと、「たいまつはおらだちの敵だ。だからつぶすわけにはいかぬ」という。
きのう訃報を聞いた、むらのたけじさんの著書「99歳一日一言」から。
戦争に加担したことを悔いて敗戦と同時に大新聞を辞め、郷里秋田で権力批判の論陣を張る。
保守の人たちとは水と油だ。
祝賀会には思惑もあっただろうが、ともかく彼らには「敵に学ぶ」度量があったと受け止めた。
そんな昔語りを通じて、晩年は憎しみが憎しみを呼ぶ世界の悲劇を憂えた。
いや、人ごとではない。
ヘイトスピーチに現れる、この国の危うい風潮も。
学生時代、作文に「半信半疑」という語を訳して用い、スペイン人講師に叱られる。
「半分信じる」なんて、ありえない・・・。
以来、その言葉にも似て日本は「あやふやな国」に見られている、という思いが強くあった。
だから憲法9条に魂を入れよ、と説いた。
現実は立派な条文と裏腹じゃないか、と。
「一日一言」に「強風でも散らぬ葉がある。無風でも散る葉がある」と記す。
ことの行く末を風のせいにするな・・・という遺言と聞く。
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