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「六十、七十ははなたれこぞう おとこ盛りは百から百から」生涯現役の姿がまぶしい [世相雑感]

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門田篁玉.jpg

握手した感触が思いがけず柔らかで、すべすべしていた。
この秋に百寿を迎える福山市の竹工芸家、門田篁玉(こうぎょく)さんの手のひらには、たこが見当たらない。
福山駅前の百貨店で催されている個展の会場でお目にかかった。

大分に住む親類の竹工芸家下に、17歳で弟子入りした。
習うより慣れろで朝早くから夜更けまで竹と向き合う。
塗料の漆にかぶれつつ、ものにしたのが「落松葉(おちまつば)」という編み技である。

幅も厚みも異なる、何種類もの竹ひごを小刀一本で切り出していく。
それが縦横無尽に編み込まれると、散り敷いた松葉のような風情を醸す。
会場にも落松葉の籠が見えた。
緩みの無い編み模様が円熟の境地を伝える。

台所道具や住まいのしつらえに欠かせなかった製品も、昨今は茶道具くらいしか見掛けない。
かえって海外でもてはやされている。
門田さんの作品も米メトロポリタン美術館に展示されているそうだ。
うねり、しなる曲線美はアートを思わせるに違いない。
門田さんを見ていると、百寿を迎えてなお仕事にいそしんだ井原市出身の彫刻家、平櫛田中の金言が浮かぶ。
「六十、七十ははなたれこぞう おとこ盛りは百から百から」。
生涯現役の姿がまぶしい。


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