バングラデシュでテロ、邦人を含む異教徒殺害「攻撃の報復」とIS声明 [世相雑感]
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英国とパキスタンから2度独立したバングラデシュの名は、ベンガル人の国を意味する。
国歌はインドの詩聖タゴールの作品だ。
「わが黄金のベンガルよ」と歌い、マンゴーの森の香り、秋の稲の実り、心地良い木陰をたたえた。
研究者内山真理子さんの訳書に教わる。
タゴールはインド独立の父、ガンジーを支持した。
自身も非暴力の立場を選び、農村改革のための教育に力を入れた。
「わたしのなすべき努力とは騒乱の背に乗っかることでしょうか」と問う詩もある。
首都ダッカでテロに及んだのは、まさに騒乱の背にのっかる者たちだ。
国外の過激な思想に染まり、邦人を含む丸腰の外国人を標的にした。
人質にコーランの1節を唱えるよう強要し、できない人に危害を加えたという。
根っこに社会への不満でもあるのか。
だが異教徒をあやめることを目的とするなら、もはや神の名を語るべきではない。
「もろびとを一つにする創始者よ」とタゴールは歌ってもいた。
新しい国の創始者の下に、あらゆる宗教を信じる者たちがはせ参じる世界。
独立国のあるべき姿だったのだろう。
寛容を尊ぶ国柄を望んだ詩聖の言の葉を、いま一度拾い上げたい混濁の世である。
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