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中国経済減速は、日本の地方工業都市の景色を変える [世相雑感]

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溶鉱炉.jpg

大型ビルや高層マンションが素人目にも過剰に見えた。
少し前に上海から北京に向かう車窓から見た街の印象だ。
高速鉄道の沿線に「鬼城」と呼ばれるゴーストタウンがあふれていると後で知る。

景気減速で鋼材がだぶつき、中国メーカーが投げ売りをしているそうだ。
その余波が瀬戸内の工業都市にも押し寄せた。
市況悪化で新日鉄住金が日新製鋼を子会社化し、呉製鉄所が誇る高炉二つのうち一つを休止するという。
まさに経済に国境はない。

突然の発表に呉市民は驚いたことだろう。
原料の鉄鉱石から鉄を生み出す心臓部である。
一旦火を入れると20~30年、いっときも休まず働き手の士気も当然、高い。
「俺の高炉」と胸を張って動かしてきたに違いない。

戦後、日新の前身は海軍工廠(こうしょう)の跡地で操業を始める。
敗戦で失業都市の名を背負った街の切望であったという。
「夜になると真っ赤に染まる」。
高炉はドックと並び、市民に愛される掛け替えのない風景といえよう。

逆風の業界をにらみ、経営側は攻めの効率化だと説明する。
雇用は守る、というが地元はしばらく落ち着くまい。
高炉は呉湾のランドマークでもある。
もう一基の火を何とかともし続けたい。
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