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オオカミは里山を守るカミだったのか、伝説は語る [世相雑感]

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オオカミ狛犬.jpg

「夕方遅うまで遊びょうりゃあ、オオカミが出るけえ、早う戻れよ」。
大正の世に備北で生まれた民俗学者、神田三亀男さんは祖母に言い聞かされた。
とうに滅んではいても、災いをなす獣をだしにしたしつけだ。

ところが、神田さんの父はオオカミをまつる神社を信奉していた。
隣の岡山県にある、そのお宮は向き合う一対の獣を戸口札に描くから不思議である。
イノシシを寄せ付けず実りを守るカミとなった証なのか。

原発事故で全村避難する福島県飯館村の山津見神社には、237枚のオオカミ絵があった。
3年近く前、宮司の奥さんが亡くなる火事があり、天井の絵も失われる。

ただ一つだけ手がかりが残った。
焼失前に研究者が全ての絵を撮った写真だ。
奥さんの遺言と受け止めて人々は復元に動き、東京芸大院生たちの日本画の筆でよみがえる。
昨年11月にまず100枚を披露した。

併せて調べるうちに、オオカミの絵馬やお札は東北の南部に広く残ることが分かる。
取材した河北新報の編集委員は「膨大な予算の事業でなく・・・」と記事に付した。
小さな復興にも人を再起させる力はある。
人なき山野にイノシシやサルがはびこる今の村だが、カミはそこにいる。
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