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水木しげるさん逝く、あの世はこの世で描いた楽園なのか [訃報]

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妖怪はいいなあ。
テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌は「朝は寝床でグーグーグー」「おばけにゃ学校も試験も何にもない」。
目玉おやじはいつも茶わんのおふろにチャップンと浸かる。

おどろおどろしくも、どこかのんきな異世界を好んで描いた水木しげるさんが逝った。
あの妖怪たちは自分の分身でもあったのだろう。
眠ることをこよなく愛し、境港市で過ごした幼少期から遅刻の「確信犯」だった。
勉強は嫌いで成績も悪かった。

鬼太郎と仲間たちは「南方の人たちに似てる」とも。
戦争の終わり、ラバウルへ送られて出会った現地の人々は食べられるだけ働き、あとは遊んで暮らしていた。
水木さんは激戦地で死線をくぐり抜けながらそこに楽園を見たという。

「結局、幸せの線をどこで引くかでしょうね」と晩年のエッセーにある。
自ら創り出した妖怪たちから見ると、飽くなき欲望にかられる現代人や、効率ばかり追い求める社会こそ、もっとたちの悪い怪物かもしれない。

好きなことしかしないと言いつつ、人は何のために生きるのかを見つめ続けた人だろう。
信じていた見えない世界に、ついに足を踏み入れてしまった。
さあ、今度は何をみるのやら。
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