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原発事故を人間愛の視点で紡いだノーベル文学賞作品、平和賞候補の日本被団協にもエールを [世相雑感]

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戦争にも原発事故にも「見落とされた歴史」がある。
ノーベル文学賞に輝いたベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチさんの言葉である。
代表作の「チェリノブイリの祈り」では市井人々の内なる声を紡いだ。

チェリノブイリ.jpg

彼を愛していたの。
私の大好きな人・・。
原発事故の直後の消火活動に加わり、大量の放射能を浴びた夫の妻が繰り返し口にするのは夫への愛だ。
皮膚がむけ、崩れていく夫の体のそばから離れられず、悲観に暮れながら。

苦しみの中にありながら深い人間性や愛を失わない人たちの言葉に耳をすまし、まるで音楽を奏でるようにドキュメンタリーを構成してきた。
そこが読者の魂を揺さぶったのだろう。

被爆者の歩みともどこか重なる。
平和賞に推された日本被団協も、あの日閃光を浴びた人々が何を思ったのか証言を世界に発信してきた。
チュニジアの民主化を支えた人たちに光が当たり、受賞を逃したのは残念だが、その行動は増すばかり。

12年前に広島を訪れたアレクシエービッチさん。
報道取材に「民衆の心の底で育まれた透き通った言葉」を見落とさず探そうと語っていた。

被爆地の物語を紡いでいく営みにも力を貸してくれたら。
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